201766日火曜日 ブログ第204

ここのところ清々しい毎日で

気分よく過ごせて喜んでいる澁川です。

 

先月何気に寄った本屋で目に止まった本

「老いる家 崩れる街」野沢千絵さん著。

思わず手を伸ばし購入しました。

 

書籍 老いる家 崩れる街 野沢千絵さん著

 

なかなか時間が取れなくて、

少しずつ読み進めているのですが

自分の育った実家や

今住んでいる自宅をどうするか?

いろいろと考えさせられる内容と

なっています。

 

今仕事で不動産関係の仕事をしており、

立地良い土地があると

マンション用地で販売できないか?

などと考えて仕事していますが・・・。

 

本の書き出しは、

「私たちは、『人口減少社会』なのに、

『住宅過剰社会』という不思議な国に

住んでいます。」

で始まります。

 

 

住宅過剰社会とは、

世帯数を大幅に超えた住宅がすでにあり、

空き家が右肩上がりに増えている

にもかかわらず、

将来世代への深刻な影響を見過ごし、

居住地を焼畑的に広げながら、

住宅を大量につくり続ける社会のこと

と筆者は書かれています。

 

日本の世帯総数は約5245万世帯数。

 

それに対して、

現在、国内にすでに建っている住宅は

6063万戸だそうです。

 

すでに16%も多くなっている中で、

昨年も97万戸の新築住宅が

供給されています。

 

持家系54万戸、借家系43万戸です。

 

国土交通省の統計データより

http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html

 

この着工されている理由として著者は、

「売れるから建てる」ので供給が

止まらないと書かれています。

 

テレビでも良く報道されていますが、

東京のベイエリアでは

超高層マンション群が林立し、

そのエリアの住人が想定以上に増え、

公共施設などのキャパシティが

追い付かないようです。

 

学校を作りたくても、

場所がないなど

いろいろと問題が出ているようです。

 

今は超高層で眺望がいいと

人気があるマンションも

林立されることにより、

眺望が悪くなると想定されており、

 

人口過密で公共施設の整備が

追い付かないと

不動産価値が想定以上に早く下がる

可能性も指摘されているようです。

 

「老いる前に値崩れが始まる」と。

 

昨年不動産の専門家である

牧野知弘さんのお話で

ご実家の横浜の高級住宅地でも

高齢化により老いた街となり

空き家が問題になっていると

お聞きしたことがあります。

 

総務省の統計によると

全国平均空き家率13.5%

大阪市内も空き家率17%前後に

なっており全国平均より高齢化が

進んでいるようです。

 

この本では、

町田市の「金曜日の妻たちへ」の舞台

となった高級住宅地は

自治会等が積極的に景観維持に

努めているため、

不動産価格は高めで維持されているが、

住民の年齢が65歳以上となる高齢化率が

33%を超えており、

住人の3人に1人は高齢者になっていると

紹介されている。

 

このまま放置すると

10年から20年の間に空き家だらけで

住宅街が崩壊する可能性もある

と指摘しています。

 

 

相続税の課税強化の影響で、

不動産所有者にアパート経営を

進める業者が多く、

過剰な建築が問題視されていますが、

今の空き家状況から考えて、

立地をよく考えて行わないと

空室が埋まらないことは明らかですね。

 

相続診断士としてアドバイスする

機会があれば、

これらのことを指摘していかないと

いけないですね。

 

また、この本では、

住宅過剰が深刻化すると、

住宅の立地や維持管理状況により、

売りたくても買い手がつかない

「負動産化」する住宅

が出てくるという指摘しています。

 

空き家

 

我が家の周りも開発されて

20年くらい経ち住民も高齢化が

進んでいるのは事実。

 

十分「負動産化」する住宅に該当する?

 

開発が予定より遅れたため

若い入居者がいるため、

住民の平均年齢は、

まだ近隣の住宅地域より

高齢化が進んでいないと思いますが、

 

子供達は今の家には住まないと思われ、

山の傾斜地にある住宅でもあり、

高齢になると住むのに不便になりうるので、

FPとして自分の自宅をどうするか

考えさせられた本でした。